「ホルモン屋なので脂の量がすごいんです。これも廃油として引き取ってもらえますか?」——もつ焼き・ホルモン店の方から、よくいただくご質問です。
ホルモン・もつ焼き店の厨房は、他の業態と比べて動物性の脂が圧倒的に多く出ます。ロースターや焼き台から落ちる脂、もつを下茹でしたときに浮く脂、そして揚げ物に使った植物油。種類の違う油脂が同じ厨房で同時に発生するのが、この業態の特徴です。
この記事では、動物性脂と植物油の分け方を中心に、ホルモン店の油まわりを整える考え方をお伝えします。
ホルモン店の油が難しい3つの理由
1. 種類の違う油脂が同時に出る
揚げ油(植物性)と、もつ・ホルモンから出た脂(動物性)は性質が違います。再資源化の工程も、買取の条件も変わってきます。混ぜてしまうと「どちらとして扱うか」の判断が難しくなり、結果として評価が下がりやすいのがポイントです。
2. 常温で固まる
動物性の脂は、気温が下がると白く固まります。缶の中でガチガチに固まってしまうと、移し替えも回収も一気に手間が増えます。夏はサラサラでも、秋から冬は別物になると考えてください。
3. 排水側への負担が大きい
ホルモンの下処理で出た脂を流しに落とすと、配管の途中で冷えて固まり、詰まりの原因になります。グリストラップの清掃頻度も上がります。「脂は流さず、まとめて出す」が、ホルモン店にとって一番効く原則です。
分けずに運用すると起きること
- 🔸 買取条件が下がる:植物油に動物性脂が大量に混ざると、扱いが変わります
- 🔸 配管が詰まる:冷えて固まった脂が蓄積し、営業中に流れなくなる
- 🔸 グリストラップの清掃が増える:清掃コストと手間が上がり続ける
- 🔸 臭気が強くなる:動物性脂は傷んだときの臭いが強く、近隣への影響も出やすい
- 🔸 虫が寄る:脂の付着した床や容器周りは、害虫の発生源になります
動物性脂と植物油を分ける実務
ステップ1:容器を2系統に分ける
「揚げ油用」と「脂用」を別容器にして、見た目で区別できるようにします。フタに大きく書くだけで十分です。迷ったら聞く、ではなく、迷わない置き方にするのがコツです。
ステップ2:脂は温かいうちに集める
下茹でで浮いた脂は、冷える前にすくって専用容器へ。固まってから対応しようとすると、こそげ落とす作業になってしまいます。営業中の空き時間に少しずつ、が現実的です。
ステップ3:流しに落とさせない仕組み
- ✅ シンク横に受け容器を常設する——手の届く場所にないと、結局流されます
- ✅ ザル・ペーパーで固形分を先に取る——排水側に流れる量が大きく減ります
- ✅ 「脂は流さない」を厨房に貼る——新人が入っても運用が崩れません
ステップ4:寒い時期は回収頻度を上げる
気温が下がる時期は、固まる前に引き取ってもらうのが一番楽です。秋から冬は頻度を1段上げると、移し替えの苦労がぐっと減ります。
OIL BEESならホルモン店にどう対応するか
OIL BEESは、ホルモン・もつ焼き店のような動物性脂の多い厨房も担当しています。植物油は買取の対象で、回収費用はかかりません。動物性脂の扱いについては、量や状態によって条件が変わりますので、現場を見て正直にご説明します。
容器は無料で設置します。分別用に2系統をご用意し、厨房の動線に合わせて置き場所を決めます。「どこまで分ければいいのか」が一番わかりにくい部分ですので、実際の作業を見ながら、無理のない線引きを一緒に決めさせてください。
寒い時期の頻度調整も柔軟に対応します。固まって困る前にご相談いただければ、段取りを組み直します。
脂を「厄介者」から「資源」に変える視点
ホルモン店の脂は、現場では正直なところ「厄介者」です。床を汚し、臭いを出し、放っておけば配管を詰まらせる。毎日それと向き合っている方からすれば、資源だと言われてもピンと来ないかもしれません。
ただ、集められた植物性の廃食用油は、SAF(航空燃料)やバイオ燃料、船舶燃料の原料として実際に使われています。捨てられている油を資源に変える——私たちが一番大事にしている考え方です。分別の一手間は、そのための入口でもあります。
そしてもう一つ、現場にとっての実利があります。脂と揚げ油をきちんと分けている厨房は、床も排水もきれいに保たれます。清掃の負担が減り、虫も寄りにくくなる。分別は環境のためだけでなく、働く人のためでもあると思っています。
よくある質問
Q. 揚げ油と脂が少し混ざってしまいました。ダメですか?
A. 少し混ざった程度であれば回収できるケースが多いです。完璧な分別を求めているわけではありません。「大量に混ざった」場合だけ、扱いが変わるとお考えください。
Q. 固まった脂はどうやって出せばいいですか?
A. 固まったままの容器でお出しいただけることが多いです。溶かすために加熱するのは危険なので避けてください。状態を見てこちらで判断します。
Q. グリストラップの清掃も頼めますか?
A. 廃食用油の回収とグリストラップの清掃は別のサービスです。当社の対応範囲と、清掃をどうするかの考え方はご説明できますので、あわせてご相談ください。
Q. 容器を2つ置くスペースがありません。
A. 容器のサイズを変えて合計スペースを抑える、置き場所を屋外に移すなど、やり方はいくつかあります。現場を見せていただければ、何通りかご提案して選んでいただく形にします。
まとめ
- ✅ 揚げ油(植物性)と脂(動物性)は容器を分ける——買取条件と扱いが変わる
- ✅ 脂は温かいうちに集める——固まってからでは作業が重くなる
- ✅ 流しに落とさない仕組みを作る——配管とグリストラップを守る最短ルート
- ✅ 寒い時期は回収頻度を上げる——凝固の苦労を先に消す
OIL BEESでは、動物性脂が多い厨房の分別設計から一緒に考えます。「これは分けるべき?」という素朴な疑問からで構いませんので、気軽にお問い合わせください。一度お店を見させてもらい、ベストな提案をいたします。



