「エビフライやカツレツの油と、ソテーで使ったバターやオリーブオイル。これ全部まとめていいんでしょうか?」——洋食店のシェフから、こんなご相談をいただきます。
洋食店・レストランの厨房は、和食や専門店と比べて油の種類がとにかく多いのが特徴です。フライヤーの揚げ油、フライパンのサラダ油、風味づけのオリーブオイル、バター、そしてデミグラスや肉料理から出た脂。ひとつの厨房で、性質の違う油脂が並行して発生します。
この記事では、種類の多い油をどこまで分けて、どこから一緒でいいのかという現場の線引きを、わかりやすく整理してお伝えします。
洋食店の油が複雑になる理由
フライヤーとフライパンが同時に動く
揚げ物専門店であれば、廃油はフライヤーから出る一系統で済みます。洋食店はそうはいきません。コンロ側で出る少量の油と、フライヤーから出るまとまった量の油が、それぞれ別のタイミングで発生します。この「まとまらなさ」が管理を面倒にします。
コース料理で消費が読みにくい
ランチのフライ定食が多い日と、ディナーのコースが中心の日では、揚げ油の消費がまったく違います。宴会や貸切が入れば、さらに変動します。「毎月だいたい何缶」が読みにくいので、回収の頻度も決めづらいのです。
動物性の脂が混ざりやすい
ステーキやハンバーグを焼いた脂、バター、生クリームを使ったソースの油分。これらは動物性です。植物油とは性質が違うため、大量に混ざると扱いが変わります。少量なら問題ありませんが、肉料理の脂を毎日まとめて揚げ油の缶に入れる運用は避けたいところです。
整理しないまま運用すると
- 🔸 フライの品質が安定しない:交換の基準が人によって違い、日によって揚がりが変わる
- 🔸 回収のタイミングが合わない:宴会明けに溢れ、閑散期には缶が空のまま置かれる
- 🔸 買取条件が読めない:何が混ざっているか分からない状態では、評価も安定しません
- 🔸 コンロ側の油が流される:少量だからと流しに落とされ、配管に蓄積する
- 🔸 スタッフが判断に迷う:「これはどっちの缶?」と毎回考える手間が発生する
現場で使える線引きの作り方
1. 「揚げ油」を主役の一系統にする
まずフライヤーの油を、買取対象の本流として一本にまとめます。ここに余計なものを入れないと決めるだけで、油の価値が守られます。基準は「フライヤーから抜いた油だけ」。シンプルなほうが守られます。
2. コンロ側の油は小容器にまとめる
フライパンの残り油は量が少ないので、シンク横に小さな受け容器を置き、そこに集めます。「少量だから流す」を物理的にできなくするのが狙いです。ある程度溜まったら揚げ油の缶に合流させるか、別で出すかは、内容を見て決めます。
3. 肉の脂・バター系は別扱いにする
ステーキの脂やバターが多く出る日は、別の容器へ。動物性が多いものを分けておけば、揚げ油の缶を守れます。完璧を目指さなくて構いません。「大量のときは分ける」で十分です。
4. 交換基準を紙一枚に
- ✅ 揚げ油は○日または○回で交換——色だけの判断をやめる
- ✅ カスすくいはランチ後とクローズ前——時間で決める
- ✅ 缶が満杯の8割で報告——溢れる前に動ける
変動する店ほど「頻度の設計」が効く
洋食店のように消費が読みにくい業態では、回収の頻度を固定しすぎないほうが楽になります。繁忙期は増やし、閑散期は減らす。予約状況が読めるお店なら、月の前半・後半で分けるという組み方もできます。
そのために必要なのは、記録です。何月に何缶出たかを1年分並べると、自店の波がはっきり見えます。記録が面倒なら、回収記録をそのまま使ってください。誰かが集計してくれている数字を、経営判断に使わないのはもったいない話です。
OIL BEESなら洋食店にどう対応するか
OIL BEESは、油の種類が多い洋食店の厨房も担当しています。容器の無料設置に加えて、分別の線引きを現場で一緒に決めます。「これは分けるべきか」を毎回悩まずに済む状態をつくるのが目的です。回収費用はかかりません。植物油は買取の対象です。
宴会シーズンなど、量が読めない時期の臨時回収にも柔軟に対応します。「来週の土日で大きい宴会が3本入った」といったタイミングでご連絡いただければ、前後で調整します。
回収した油は再資源化され、SAF(航空燃料)やバイオ燃料の原料になります。フルコースの裏側で出た油が、そのまま資源として次の場所へ行く——お客様に説明すると喜ばれるお店も多いです。
よくある質問
Q. オリーブオイルやバターが混ざっていても回収できますか?
A. 少量の混入であれば問題になりにくいです。量が多い場合は扱いが変わることがありますので、状況を教えてください。現場を見て判断します。
Q. 月によって量がまったく違います。頻度は決められますか?
A. 固定せず、繁忙期と閑散期で変える形にできます。半年ほど記録が取れると、かなり精度の高い設計ができます。
Q. フライパンの残り油だけでも出せますか?
A. 出せます。少量でも流しに落とさず溜めていただくほうが、配管にも環境にも良い選択です。
Q. 分別のルールをスタッフに教える資料はありますか?
A. お店の実情に合わせた簡単な貼り紙レベルのものを、一緒に作らせていただくことがよくあります。難しい資料より、厨房に貼れる一枚が効きます。
Q. 業者を変えると分別ルールも変わりますか?
A. 会社によって受け入れの条件は違うため、変わる可能性はあります。当社に切り替えていただく場合は、現在の運用をうかがったうえで、できるだけ厨房の手間が増えない形に合わせます。すでに定着しているやり方を無理に壊すことはしません。
まとめ
- ✅ 揚げ油を一系統の「本流」にする——余計なものを入れないと決める
- ✅ コンロ側の少量油は小容器で受ける——流させない仕組みが先
- ✅ 肉の脂が大量の日だけ分ける——完璧主義にしない
- ✅ 消費が変動する店は頻度を固定しない——記録が設計の材料になる
OIL BEESでは、油の種類が多い厨房の分別設計から回収頻度の調整まで、柔軟に対応しています。「うちの厨房だとどう分けるのが正解か見てほしい」——そんなご相談から気軽にお問い合わせください。一度お店を見させてもらい、ベストな提案をいたします。


