「環境のことをやってはいるんですが、お客様にどう伝えたらいいか分からなくて」——飲食店の経営者の方から、こんなご相談をいただくことがあります。
食品ロスを減らす仕込みの工夫、リサイクルできるものを分別する手間、廃食用油を資源として出す取り組み。多くのお店が、すでに何かしらやっています。ところが、それが伝わっていない。もったいない話です。
この記事では、飲食店の環境の取り組みを、押しつけがましくなく伝える方法を、廃油リサイクルを例にお伝えします。
伝わらない3つの理由
1. 言葉が抽象的すぎる
「環境に配慮しています」「SDGsに取り組んでいます」——この書き方では、何もしていないお店と区別がつきません。読んだ人の頭に映像が浮かばない言葉は、伝わらないと考えたほうがいいです。
逆に「揚げ油は捨てずに回収して、飛行機の燃料の原料になっています」と書けば、映像が浮かびます。具体的であればあるほど伝わるのが、この分野の特徴です。
2. お店の人が「当たり前」だと思っている
毎日やっていることは、特別に思えなくなります。「廃油の回収なんて、どこでもやってるでしょう」——そう思って何も言わないお店が多いのですが、お客様は飲食店の裏側を知りません。知らないことは、伝えれば価値になります。
3. 押しつけがましくなるのを避けている
環境の話を前面に出しすぎると、説教くさくなります。その感覚は正しいです。ただし「言わない」以外にも選択肢はあります。小さく、さりげなく置くという方法です。
伝わらないままだと起きること
- 🔸 やっている手間が評価されない:コストと手間だけが残ります
- 🔸 採用で差別化できない:働く場所を選ぶ基準として、環境意識を見る人は増えています
- 🔸 法人の取引で聞かれても答えられない:宴会・接待で使う企業側が気にするケースがあります
- 🔸 スタッフが意義を感じられない:作業の理由が分からないとルールは守られません
- 🔸 お客様との会話の材料を逃す:話のきっかけになる素材を使わないのはもったいない
押しつけずに伝える3つの方法
1. 一行だけ、事実を書く
メニューの隅、レジ横の小さなカード、店内の掲示。「当店の揚げ油は回収してリサイクルしています」——これだけで十分です。理念や決意表明はいりません。事実だけを短く置くのが、一番受け入れられます。
2. 数字があれば添える
「昨年は○リットルの油を資源として送り出しました」という数字は、説得力が違います。回収の記録があれば、そのまま使えます。数字は、やっていることの証明になります。
3. スタッフが説明できる状態にする
- ✅ 油の行き先を朝礼で共有する——SAFやバイオ燃料になることを知っておく
- ✅ 聞かれたら答えられる一言を決めておく——長い説明は不要
- ✅ 分別のルールに理由を添える——意味が分かるとルールは守られる
この3つ目が、実は一番効きます。お客様に伝わる以前に、働いている人が自分の仕事に意味を感じられるからです。そこができていれば、外への発信は自然についてきます。
食品ロス削減とセットで考える
環境の取り組みとして飲食店が最初に取り組むのは、たいてい食品ロスの削減です。仕込みの量を調整する、余った食材を別メニューに回す、廃棄の記録を取る。廃油のリサイクルは、これと同じ流れの中にあります。
「食材を無駄にしない」と「油を捨てない」は、お客様から見れば同じ姿勢の表れです。別々に語るより、「うちは出るものを無駄にしません」というひとつの話としてまとめるほうが伝わります。
そして油に関しては、捨てるより回収したほうが経済的にも有利です。買取の対象になるからです。環境のためだけに我慢する話ではないという点も、スタッフには伝えておくといいでしょう。
OIL BEESならどうお手伝いできるか
OIL BEESでは、回収した廃食用油の記録をポータルでご確認いただけます。「年間でどれだけ資源として送り出したか」が数字で分かるので、掲示や発信の材料としてそのままお使いいただけます。
ご希望のお客様には、リサイクルへの参加を見える形にするステッカーなどもご用意しています。店頭に貼れるものがあると、説明の手間が省けます。
回収した油はSAF(航空燃料)やバイオ燃料の原料として再資源化されます。すべてのお客様が、OIL BEESを通してその流れに参加していることになります。回収費用はかかりません。植物油は買取の対象です。
採用の場面でも効いてくる
人手不足が続くなか、働く場所を選ぶ基準は「時給と勤務時間」だけではなくなってきました。とくに若い世代は、その職場が社会に対してどう向き合っているかを見ています。面接で環境の取り組みを聞かれることも、珍しくなくなりました。
求人票に一行「使用済みの油はリサイクルして資源にしています」と書いてあるだけで、印象は変わります。大げさな話ではなく、実際にやっていることを書けばいいだけです。書けることがあるのに書かないのは、単純にもったいない。
そして入ってからも効きます。自分の仕事に意味を感じられる職場は、人が辞めにくいと言われます。毎日の油の片付けが「ただの面倒な作業」なのか「資源を次に渡す仕事」なのかで、同じ作業でも受け止め方が変わります。
よくある質問
Q. 掲示に使える資料はもらえますか?
A. 回収量の記録をご確認いただけますし、ステッカー等のご用意もあります。表現に迷う場合はご相談ください。
Q. 大げさなことは書きたくないのですが。
A. 事実を一行書くだけで十分です。むしろ控えめなほうが信用されます。無理に盛る必要はありません。
Q. 取引先の企業から環境の取り組みを聞かれました。
A. 廃食用油を回収し再資源化していることは、具体的な取り組みとして説明できます。回収量の記録もお使いいただけます。
Q. スタッフにどう説明すればいいですか?
A. 「この油は捨てられるのではなく、飛行機の燃料の原料になる」——これで十分伝わります。理由が分かると、分別のルールも守られやすくなります。
まとめ
- ✅ 抽象的な言葉は伝わらない——「飛行機の燃料になる」と具体的に書く
- ✅ 一行の事実で十分——理念や決意表明は不要
- ✅ 数字があれば添える——回収記録がそのまま証明になる
- ✅ まずスタッフが説明できる状態に——内側が分かっていれば外へは自然に伝わる
OIL BEESでは、廃食用油の無料回収・買取に加えて、取り組みを伝えるための材料もご用意しています。「うちの取り組み、どう書けばいいと思う?」——そんな相談も歓迎です。気軽にお問い合わせください。


