「今月、やけに廃油が多いなと思ったら、フライヤーの温度設定がずれていました」——回収の記録がきっかけで、厨房の問題が見つかることがあります。
廃油の量は、厨房で何が起きているかを映す鏡です。売上が変わっていないのに廃油だけが増えた、逆に減った——そこには必ず理由があります。
この記事では、廃油の量の変化から何が読み取れるかを、原因別に整理してお伝えします。難しい分析は必要ありません。缶の数を数えるだけで始められます。
廃油が「増えた」ときに疑うこと
1. 交換のタイミングが早まっている
スタッフが交代したり、新しい人が入ったりすると、交換の判断がぶれます。「不安だから早めに換える」が積み重なると、油の使用量は目に見えて増えます。基準が共有されていないサインです。
この場合、悪いのはスタッフではなく基準がないことです。日数や回数で決めた基準を貼り出せば、すぐに元に戻ります。
2. 油の劣化が早まっている
フライヤーの温度が設定より高い、カスすくいがされていない、揚げる食材が変わった——劣化が早ければ、当然交換も早まります。機器の不調が原因のこともあるので、温度計での確認は一度やってみる価値があります。
3. メニューや客層が変わった
揚げ物メニューを増やした、デリバリーを始めた、団体客が増えた。これは良い増え方です。売上と並べて見れば、健全な増加かどうかはすぐ分かります。
廃油が「減った」ときに疑うこと
- 🔸 交換を先延ばしにしている:置き場が満杯で換えられていない可能性があります。品質に直結する危険な状態です
- 🔸 差し油でごまかしている:減った分だけ新油を足し続けると、交換の回数は減りますが油の状態は悪化します
- 🔸 どこかに流している:最も避けたいパターン。配管トラブルの原因になります
- 🔸 揚げ物の注文自体が減っている:売上の変化と一致していれば、これは経営上のサインです
- 🔸 他の場所に溜めている:置き場が足りず、別の場所にボトルで溜まっていることがあります
「減った」のほうが、実は注意が必要です。コストが下がったように見えて、品質やリスクの問題が隠れていることがあるからです。
月に5分の点検で十分
見るのは3つの数字だけ
- ✅ 今月の油の仕入れ量——伝票を数えるだけ
- ✅ 今月の廃油の回収量——回収の記録を見るだけ
- ✅ 今月の売上(または揚げ物の注文数)——すでに把握している数字
この3つを12ヶ月並べれば、自店の正常値が見えてきます。正常値が分かれば、異常はすぐ目につきます。グラフにする必要もありません。数字を並べるだけで十分です。
変化を見つけたら、現場を見る
数字が動いたら、厨房で何が変わったかを確認します。人が替わったか、メニューが変わったか、機器の調子はどうか。数字は「どこを見ればいいか」を教えてくれるだけで、答えは現場にあります。
数字は交渉の材料にもなる
食用油の価格が上がっている今、「うちは1ヶ月にこれだけの油を使い、これだけの廃油が出ている」と言える状態は強いです。仕入れ先との話でも、買取条件の確認でも、根拠のある話ができます。
また、メニューの価格を見直すときにも使えます。揚げ物の原価に、油のコストがどれだけ乗っているか。感覚ではなく数字で把握していれば、値上げの判断も説明もしやすくなります。
難しい管理会計の話ではありません。缶の数を数えて、並べて、眺める。それだけで、経営の判断材料がひとつ増えます。
OIL BEESなら数字の把握にどう関われるか
OIL BEESでは、回収の日時と量をポータルでご確認いただけます。携帯一つで、どこからでも過去の記録を見られます。月ごとの推移も追えますので、点検の材料としてそのままお使いいただけます。
もともとこの仕組みは、「量が合っているか不安」というお客様の声から生まれました。透明性を確保することが第一の目的でしたが、結果として経営の数字としても使えるものになっています。
回収費用はかかりません。植物油は買取の対象です。数字を見ながら、回収の頻度や容器の数も調整していけます。
季節の変化も頭に入れておく
廃油の量は、季節によっても動きます。夏は気温が高く油の劣化が早いため、同じ量を揚げていても交換の周期は短くなります。逆に冬は劣化が緩やかになる一方、動物性の脂が固まりやすくなります。
加えて、飲食店には季節ごとの需要の波があります。夏のビール需要で揚げ物が伸びる店、年末の宴会で一気に増える店、行楽シーズンに集中する店。「先月より増えた」だけで慌てず、去年の同じ月と比べるのが正しい見方です。
1年分のデータが揃うと、この比較ができるようになります。最初の1年は判断材料が少なくて当然ですので、まずは記録を残すことから始めてください。2年目から、数字は一気に使えるものになります。
よくある質問
Q. 過去の回収量は確認できますか?
A. ポータルで確認いただけます。月別の推移を見れば、自店の正常値がつかめます。
Q. 廃油が急に増えました。何を見ればいいですか?
A. まず売上と揚げ物の注文数を確認してください。それが変わっていないなら、交換の基準とフライヤーの温度を疑います。
Q. 廃油が減ったのは良いことではないのですか?
A. 売上が同じで廃油だけが減っている場合は注意が必要です。交換を我慢している可能性があります。品質に直結しますので、現場を確認してください。
Q. 記録を取るのが面倒です。
A. 回収量はこちらで記録していますので、お店で取っていただくのは仕入れ量だけです。伝票を月ごとにまとめるだけで始められます。
まとめ
- ✅ 廃油の量は厨房の状態を映す——缶の数を数えるだけで始められる
- ✅ 増えたら交換基準と機器を疑う——人が替わると判断はぶれる
- ✅ 減ったときのほうが要注意——我慢・差し油・流しの可能性がある
- ✅ 数字は仕入れ交渉と価格見直しの材料になる——感覚ではなく根拠で話せる
OIL BEESでは、回収記録の見える化を通じて、お店の数字づくりをお手伝いしています。「うちの廃油の量、多いのか少ないのか見てほしい」——そんなご相談も歓迎です。気軽にお問い合わせください。



