スーパーの惣菜売り場では、唐揚げやコロッケ、天ぷら、とんかつ、魚のフライなど、毎日たくさんの揚げ物を作っています。作る場所は売り場の裏にある作業場、いわゆるバックヤードです。揚げ物の量は飲食店より多いことが多いのに、作業場の広さは限られていて、廃油の缶の置き場にはいつも頭を悩ませる、という声をよく聞きます。
惣菜売り場の廃油には、飲食店とも食品工場とも違う事情があります。揚げる時間は売り場の山に合わせて決まり、作業する人はシフトで替わり、置き場は荷受けや品出しと同じ通路の一角にある。ここを踏まえずに回収を組むと、缶が通路にはみ出したり、何缶出したのか誰も分からなかったりします。
この記事では、スーパーの惣菜売り場の廃油を「量」「置き場」「記録」の三つに分けて、バックヤードで無理なく回すための整え方を紹介します。
惣菜売り場の廃油が飲食店と違うところ
最初に、惣菜売り場ならではの廃油の出方を整理しておきます。
- 揚げる時間帯が、開店前・昼前・夕方前など売り場の山に合わせて決まっている
- 品目が多く、衣の種類(パン粉、天ぷら衣、唐揚げ粉)によって油の汚れ方が違う
- 作業する人が時間帯ごとに替わり、油を交換した人と缶を片づける人が別のことがある
- 置き場がバックヤードの共有スペースで、荷受け、段ボール、カゴ車と場所を取り合う
- 店によっては、惣菜部門のほかに精肉や鮮魚の部門でも揚げ物をしている
特に最後の点は見落とされがちです。精肉部門でカツやコロッケを、鮮魚部門で魚のフライや天ぷらを揚げている店では、廃油の出どころが一つではありません。惣菜部門の担当者が把握しているのは自分の部門の油だけ、ということも多く、店全体で何缶出ているのかを知っている人がいない、という状態になりやすいのです。
二つ目に挙げた衣の種類の違いも、廃油の量に関わります。パン粉の衣はかすが油に落ちやすく、焦げたかすが油を早く傷めます。唐揚げ粉の衣は油が濁りやすく、下味の醤油や調味料の色も移ります。天ぷら衣は細かいかすが多く出ます。品目ごとにフライヤーを分けている店もあれば、一台で順番に揚げている店もあり、分け方によって交換のタイミングは大きく変わります。同じ規模の売り場でも、廃油の量が店によってかなり違うのはこのためです。
揚げ物の量から廃油の量をつかむ
回収の頼み方や置き場の広さを決めるには、まず廃油がどのくらい出ているかを知る必要があります。難しい計算はいりません。
交換の回数とフライヤーの容量から数える
フライヤーの油を入れ替えるときに抜く量が、そのまま廃油になります。揚げている間に足していく差し油は、ほとんどが揚げた料理に吸われて減っていく分なので、廃油の量を考えるときは「油槽の容量 × 交換の回数」で見当がつきます。油槽の容量はフライヤーの銘板や取扱説明書で確かめられます。一斗缶はおよそ18リットル入る缶なので、交換1回でどのくらい缶が埋まるかを一度確かめておけば、あとは交換の回数を数えるだけで、1か月に何缶出るかが分かります。
部門ごとのフライヤーを合算する
精肉や鮮魚でもフライヤーを使っている店では、部門ごとに同じ数え方をして足し合わせます。部門によって交換の頻度や基準が違うことも多いので、「どの部門が、どのフライヤーを、どのくらいの間隔で交換しているか」を一枚の紙にまとめるだけでも、店全体の廃油の量が見えてきます。
量が増える日、減る日を見ておく
惣菜売り場の揚げ物は、特売の日や週末に増え、品目の入れ替えでも変わります。揚げ物の品目を増やした月は廃油も増え、サラダや煮物を増やした月は減ります。平均の量だけでなく、多い週にどこまで増えるかを見ておくと、置き場から缶が溢れる事態を防げます。
バックヤードの廃油の置き場を決める
量の見当がついたら、置き場を決めます。惣菜売り場の置き場選びで外せないのは、次の四つです。
荷受けの動線とぶつけない
バックヤードは、朝の荷受けや日中の品出しでカゴ車や台車が行き来します。廃油の缶をその通り道に置くと、ぶつかって倒れたり、缶の周りが汚れて滑りやすくなったりします。荷受けの通路から外れた壁際や、作業場の奥の決まった一角に、缶を置く場所を床にテープなどで示しておくと、置き方が人によってばらつきません。
生ごみや段ボールの置き場と離す
廃油の缶を生ごみや段ボールの置き場のそばに並べると、臭いが混ざり、虫やカラスが寄りやすくなります。段ボールに油がしみると、資源ごみとして出せなくなることもあります。廃油は廃油だけで一か所にまとめ、ふたを閉めて置いておくのが基本です。
回収の担当者が売り場を通らずに置き場まで行けるか
OIL BEESの回収は、立ち会いが不要です。そのぶん、回収の担当者が搬入口から置き場まで迷わずたどり着けるかが大事になります。売り場を通らないと置き場に行けない、搬入口が開いている時間が限られている、といった事情がある場合は、最初に伝えてください。荷受けで混み合う時間を避けて回収に伺えるよう、時間帯も相談して決めます。
屋外に置く場合は、ふたと雨よけを
作業場に場所がなく、搬入口の外に置く店もあります。その場合は、ふたのある容器を使い、雨が直接当たらない場所を選んでください。雨水が入った油は再資源化しにくくなります。OIL BEESでは回収用の容器の設置も無料なので、置き場の広さに合わせて容器の大きさや数を相談できます。
回収の間隔は、置き場に置ける缶の数から逆算する
量と置き場が決まれば、回収の間隔も自然に決まります。考え方は単純で、置き場に置ける缶の数を、1週間に出る缶の数で割るだけです。
たとえば置き場に6缶まで置けて、1週間に2缶ずつ出るなら、3週間でいっぱいになります。ただし、平均どおりに出る週ばかりではありません。特売が続いた週や品目を増やした週には、いつもより多く出ます。いっぱいになる直前に回収を迎える組み方だと、少し量が増えただけで溢れてしまうので、多い週を基準にして、置き場に1〜2缶ぶんの余裕が残る間隔にしておくのが安全です。
逆に、置き場が広い店で間隔を空けすぎるのも考えものです。古い廃油を長く置いておくと臭いが強くなり、虫が寄りやすくなります。置ける量の上限まで待つより、置き場に余裕があるうちに回収してもらうほうが、バックヤードの清潔さを保ちやすくなります。
OIL BEESは最小2缶から回収しており、繁忙期の頻度調整や季節に合わせた変更にも対応しています。売り場の企画で揚げ物が増えると分かっている時期は、前もって間隔を詰めておくと安心です。
記録を整える:誰が、いつ、何缶出したか
惣菜売り場で廃油の記録が途切れやすいのは、油を交換する人、缶を片づける人、回収を頼む人が別々だからです。記録は難しく作らず、次の三つが残れば十分です。
- 油を交換した日と、どのフライヤーか
- 交換した人
- その日に廃油の缶がいくつになったか
この三つを、フライヤーの近くに貼った用紙や、すでに使っている作業記録の欄に書き足します。新しい帳票を増やすより、いつも書いている記録に一行足すほうが続きます。
回収した日時と量は、OIL BEESのポータルで確認できます。店側の交換の記録と回収の記録を月に一度並べてみると、交換の回数から見込んだ缶数と、実際に回収された缶数が合わない、といったずれに気づけます。こうしたずれは、記録の書き漏れや、部門や人によって交換の基準がばらばらになっていることのサインであることが多いものです。
複数の店舗を持つスーパーでは、店ごとの廃油の量を本部で見比べると、売上や揚げ物の品目のわりに廃油が多い店、少ない店が分かります。交換の基準を店舗間でそろえるきっかけにもなります。衛生管理の記録の付け方そのものは、本部の基準や保健所の指導に合わせてください。
環境への取り組みとして、資源として回した量を社内でまとめている会社もあります。惣菜売り場から出た油は、回収後にSAF(航空燃料)やバイオ燃料の原料として再資源化されます。店ごと、月ごとの回収量が手元にあれば、こうした取り組みを数字で説明するときの材料にもなります。
シフトが替わっても回る役割の分け方
バックヤードの廃油の扱いは、決まった担当者がいないと崩れやすい仕事です。全員が少しずつ関わる形にして、それぞれの役割をはっきりさせておくと続きます。
- 揚げ物を担当する人:油を交換し、十分に冷めてから缶に移し、記録に一行書く
- 閉店や夕方の締めを担当する人:缶のふたが閉まっているか、置き場からはみ出していないかを確認する
- 部門のチーフや店長:缶の数を見て、増え方がいつもと違えば回収の間隔を相談する
熱い油を急いで缶に移すのは、やけどやこぼれの原因になります。交換した油は十分に冷ましてから移す、という手順を作業場に貼っておくと、新しく入った人にも同じやり方が伝わります。決めごとは、一枚の紙に収まる量にしておくのがこつです。
置き場の決めごとは、文字より写真のほうが伝わります。缶をきちんと並べた状態の置き場を撮って、手順の紙に一緒に貼っておくと、「どこに、どう置けばいいか」をだれでも同じように再現できます。缶の置き方が崩れてきたと感じたら、写真と見比べて直すだけで済みます。
部門をまたいで廃油を一か所に集める店では、どの部門からどれだけ出ているのかが後から分からなくならないよう、缶を部門ごとに分けて置くか、缶を満杯にした人が記録に部門名を書く、といった小さなルールがあると助かります。回収の担当者にとっても、置き場が整っていれば作業が早く終わり、搬入口を長くふさがずに済みます。
よくある質問
Q. 店舗が複数ありますが、店ごとに回収を頼めますか?
A. はい、店舗ごとの回収をご相談いただけます。まず各店舗の所在地と、おおよその廃油の量を教えてください。回収できる地域かどうかを店ごとに確認したうえで、進め方をお伝えします。
Q. 回収のときに、惣菜売り場の担当者が立ち会う必要はありますか?
A. 立ち会いは不要です。置き場所と、搬入口から置き場までの入り方を最初に決めておけば、売り場が忙しい時間でも作業の手を止めずに済みます。
Q. 精肉や鮮魚の部門で出た揚げ油も、同じ置き場で出せますか?
A. 揚げ物に使った食用油であれば、部門が違っても同じ置き場にまとめて出せます。植物油は買取の対象です。ラードや牛脂など動物性の脂を多く使っている油は扱いが変わることがあるので、事前にお知らせください。
Q. 惣菜の品目を増やすと廃油も増えそうです。回収の間隔は変えられますか?
A. 回収の頻度は、量の変化に合わせて調整できます。品目を入れ替える時期が分かっていれば、早めにご相談ください。増え始める前に間隔を見直しておくと、置き場から缶が溢れずに済みます。
まとめ
- 惣菜売り場の廃油は、揚げる時間帯・作業する人・置き場の三つが飲食店と違う
- 廃油の量は「油槽の容量 × 交換の回数」で見当をつけ、精肉や鮮魚の部門の分も合算する
- 置き場は荷受けの動線と生ごみから離し、回収の担当者が売り場を通らずに行ける場所にする
- 記録は「交換した日・人・缶数」の三つで十分。回収の日時と量はポータルで確認できる
- 揚げる人、締める人、チーフで役割を分けると、シフトが替わっても続く
OIL BEESでは、スーパーの惣菜売り場をはじめ、飲食店や食品工場の廃食用油を無料で回収・買取しています(植物油が買取の対象です)。容器を置く費用はかからず、回収時に売り場の人が立ち会う必要もありません。バックヤードの置き場や回収の間隔で迷っている段階でも、気軽にお問い合わせください。


