空を飛ぶ燃料が“天ぷら油”から作られる時代へ
「えっ、この飛行機、天ぷら油で飛んでるの?」
そんな時代が、すでに始まっています。
近年注目を集めるSAF(Sustainable Aviation Fuel/持続可能な航空燃料)。その中でも、日本国内で製造される「国産SAF」が脚光を浴びています。
驚くべきことに、その原料の一つが、私たちの身近にある廃食用油(使用済みの揚げ油など)。つまり、飲食店や家庭から出る“使い終わった油”が、地球を飛び回る飛行機のエネルギーになっているのです。
この記事では、国産SAFの仕組みや可能性、そして廃食用油を回収することの社会的な意味について、飲食業界や自治体の皆様にわかりやすく解説していきます。
SAF(持続可能な航空燃料)とは?国産SAFの注目が高まる理由
🌍 脱炭素社会を支える新エネルギー「SAF」

SAFとは、従来の化石燃料に代わる環境負荷の少ない航空機用燃料のことです。バイオマス(生物資源)や廃食油などから作られ、燃やしたときに出るCO₂の量を大きく抑えることができます。
航空業界は国際的にも脱炭素が急務とされており、SAFはその切り札として世界的に注目されています。
なぜ今「国産SAF」なのか?エネルギー安全保障の視点から
日本はエネルギーの多くを海外に依存しています。SAFもその例外ではなく、現在流通する多くは海外製。
しかし、国産SAFを普及させれば、国内資源(廃食用油など)を有効活用できるだけでなく、エネルギーの自給率向上にもつながります。
また、国や自治体の支援制度も後押しとなり、今まさに「国産SAF元年」といえるほど、製造・供給体制の整備が進んでいます。
国産SAFの原料はどこから?──実は「廃食用油」が主役
使用済みの天ぷら油がジェット燃料に生まれ変わる仕組み
実は、飛行機が飛ぶための燃料に使える資源は限られています。水素や電気はまだ技術的課題が多く、液体燃料であるSAFが現時点で最も現実的な選択肢となっています。
このSAFの主な原料として注目されているのが、廃食用油(使用済みの植物油)です。
特に、飲食店や食品工場から回収される揚げ物や炒め物で使った油が、大きな役割を担っています。
廃食用油は「不純物を取り除く前処理」や「水素化処理」などの工程を経て、最終的に航空機が安全に使える高品質な燃料に生まれ変わります。
つまり、飲食店で使い終わった油が、最先端のバイオ技術によって“空飛ぶエネルギー”に変わっているのです。
SAFに使える廃油の条件とは?酸化度や純度もポイント
ただし、すべての廃油がSAFに適しているわけではありません。
以下のような品質基準を満たす必要があります。
- 水分や異物の混入が少ない
- 酸化が進みすぎていない(油の劣化度)
- 動物性油脂が混ざっていない(植物性が理想)
こうした基準をクリアした廃油だけが、SAFの原料として再利用されます。
OIL BEESでは、こうした品質チェックを定期的に行い、飲食店や事業者の油が「再資源化できるレベルにあるかどうか」を判定する「おいしい油」認定制度も導入しています。
飲食店や食品工場に求められる役割──「廃食用油回収」の重要性
使い終わった油を捨てるのはもったいない
多くの飲食店や食品工場では、使い終わった油を「産業廃棄物」として処分しているかもしれません。
しかし、それはエネルギーとして再利用できる貴重な資源を捨てていることにもなります。
特にSAFのような持続可能な燃料は、回収された廃食用油の量が多ければ多いほど製造が安定し、コストも下がります。
つまり、一軒一軒の飲食店の協力が、国産SAFの未来を左右するといっても過言ではありません。
「どうせ捨てるなら、役に立つ方へ」
この小さな一歩が、社会全体の循環型エネルギーシステムの第一歩となります。

回収することで得られる3つのメリット
廃食用油を回収に出すことで、飲食店や事業者には次のようなメリットがあります。
1. コスト削減(無料回収で廃棄費用ゼロ)
OIL BEESでは、回収費用が完全無料。廃棄にかかる処理コストを削減でき、経営にもプラスです。
2. 環境貢献(CO₂削減に直接つながる)
再資源化された油が航空燃料として使われることで、化石燃料由来のCO₂排出を削減。SDGsへの貢献にもなります。
3. 社会的評価の向上(「おいしい油」認定で安心・安全をアピール)
OIL BEESの「おいしい油」認定ステッカーは、衛生管理やエコ意識の高さを来店客や取引先にアピールできます。
OIL BEESが支える国産SAFの未来
無料回収サービスと「おいしい油」認定制度とは
OIL BEESは、飲食店や食品工場などから出る廃食用油を無料で回収しています。
私たちは「廃棄物=資源」という視点で、資源循環の起点となる飲食店様を支援する存在です。
さらに、定期的に油の酸化度などを測定し、一定の品質基準を満たした店舗様には、「おいしい油」認定ステッカーを発行しています。
これは、油の鮮度管理が行き届いている証として、店舗の安全性・信頼性をお客様にアピールできるツールです。

リサイクル先の透明性──航空燃料への循環を目指して
私たちOIL BEESが回収した油は、提携するリサイクル業者を通じて、バイオ燃料(SAF含む)へと生まれ変わっています。
単なる回収で終わるのではなく、「この油が、どんな形で再利用されているか」までトレースできる仕組みづくりを進めています。
これにより、飲食店や事業者が「空を飛ぶ未来」を支える主役の一人であることを、実感として持てるようになります。
廃食用油の回収は「SDGs」達成への一歩
🌍 なぜ飲食業界がSDGsに貢献できるのか?
SDGs(持続可能な開発目標)は、国連が掲げる「2030年までに達成すべき17の目標」です。
この中には、以下のような項目が含まれています:
- 目標7:エネルギーをみんなに、そしてクリーンに
- 目標12:つくる責任、つかう責任
- 目標13:気候変動に具体的な対策を
- 目標17:パートナーシップで目標を達成しよう
飲食業界から出る廃食用油を回収し、航空燃料という形で再資源化することは、これらの目標に直接関係しています。
実際、2025年5月には中部空港で、家庭から回収された使用済み食用油を原料とした国産SAFが貨物機に供給され、ロサンゼルス行きのフライトが実現しました。
これは、自治体と企業が連携した資源循環型社会の先進事例として高く評価されています(CBCニュースによる報道はこちら)。
「うちの小さな店でも?」と思うかもしれません。
でも、一軒一軒の積み重ねこそが、未来を動かす力になるのです。
国・自治体も推進するSAFと資源循環
現在、SAFの国内生産体制を強化するために、国も大きく動いています。
経済産業省や環境省を中心に、SAF製造の研究支援、リサイクル体制の整備、認証制度の構築などが進行中です。
また、多くの自治体も地域での油回収を支援する補助制度やキャンペーンを展開し、持続可能なまちづくりを目指しています。
OIL BEESは、こうした国や自治体と連携しながら、民間からもSAF普及を支える存在として活動しています。
「飲食店×自治体×回収事業者」の連携が進めば、日本全体で循環型社会が広がっていく未来も夢ではありません。
まとめ|飲食店から始まる“空飛ぶ未来”を支える第一歩を
廃食用油が、航空機を動かす燃料=SAF(持続可能な航空燃料)になる。
この事実は、私たちの常識を大きく変えつつあります。
そしてその燃料の原料は、あなたの飲食店から出る“使い終わった油”かもしれません。
普段は捨てていたその油が、脱炭素社会・エネルギー自立・資源循環・SDGs達成という大きな目標を支える「資源」になるのです。
OIL BEESでは、廃食用油の無料回収・品質チェック・透明なリサイクル管理を通じて、飲食業界の皆様とともに未来のエネルギーづくりに貢献しています。
- 回収は無料
- 社会貢献と経費削減の両立が可能
- 「おいしい油」認定で店舗の安心感もアップ
いま、目の前の小さな一歩が、空を飛ぶ未来につながっています。
持続可能な社会の実現は、飲食店からでも始められるのです。