廃食用油ってどんなもの?
家や学校、飲食店で出る「使い終わった油」って?
「廃食用油(はいしょくようゆ)」という言葉を聞いたことがありますか?
これは、料理に使ったあとの油のことを指します。
たとえば、
- 家で天ぷらや唐揚げを作ったあとの油
- 学校給食の調理室で使われた油
- 飲食店のフライヤーにたまった古い油
などが、すべて廃食用油です。
使い終わった油は、色が濃くなり、においが強くなっていきます。
「もう料理には使えないな」と思ったとき、それが“廃油”になっているサインです。
油をそのまま捨てると、環境にどんな影響があるの?
では、その使い終わった油をそのまま流しに捨ててしまったら、どうなるでしょう?
じつはこれ、とても大きな環境問題につながります。
- 下水に油が流れると、パイプがつまって悪臭の原因に
- 池や川に流れ込むと、水が汚れて魚が住めなくなる
- 油は水と混ざりにくく、自然に分解されにくい
こうしたことが積み重なると、地域の水環境が悪化し、やがては海の生き物にも影響を与えてしまうのです。
つまり、廃食用油は「正しく処理しないと危険」ですが、逆に言えば「正しく扱えば地球にやさしいエネルギーにもなる」すごい素材なのです。
廃食用油はどうリサイクルされている?
バイオ燃料(車・飛行機用)や石けんに生まれ変わる!
使い終わった油は、ただの「ゴミ」ではありません。
きちんと回収してリサイクルすれば、なんと新しいエネルギーや製品に生まれ変わるんです。
たとえば…
- 🚛 車やバスの燃料(バイオディーゼル燃料)
→ 廃油を使ってつくられる「再生可能エネルギー」のひとつです。 - ✈️ 飛行機の燃料(SAF=持続可能な航空燃料)
→ 近い将来、飛行機も“天ぷら油”で飛ぶ時代がくるかもしれません! - 🧼 石けんや洗剤の原料
→ 一部の環境にやさしい製品は、廃油を使って作られています。
このように、廃油をリサイクルすることで、化石燃料を減らしたり、環境への負担を減らすことができるんです。
回収〜リサイクルの流れを簡単に図で解説(OIL BEESの例)

実際にどんなふうにリサイクルされているのか、簡単な流れを見てみましょう:
- 🍟【油を使う】
→ 飲食店や家庭で料理に使われた油が“廃油”になります。 - 🚛【回収する】
→ OIL BEESのような回収業者が、使い終わった油を無料で集めます。 - 🏭【工場で処理する】
→ 油をきれいにろ過・加工して、燃料や製品の原料に変えます。 - 🔄【新しい形で活用!】
→ トラックや飛行機、石けんなどに生まれ変わって再利用されます。
このようにして、使い終わった油が地球にやさしいエネルギーに変わる循環が生まれているのです。
廃油リサイクルがSDGsに貢献する理由
「SDGs(エスディージーズ)」とは、「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のこと。
世界中の国や人が協力して、よりよい未来を目指すための17の目標です。
廃食用油のリサイクルは、そのうちいくつかの目標に直接関係しています。
ここでは、特に関係の深い3つの目標をご紹介します。
【目標7】エネルギーをみんなに そしてクリーンに
廃食用油を使ったバイオ燃料やSAF(飛行機の燃料)は、再生可能エネルギーの一つ。
石油のように地球に限りがある資源を使わず、環境にやさしくて持続可能なエネルギーを生み出すことができます。
将来、ガソリンではなく“リサイクル油”で車や飛行機が動くようになれば、エネルギー問題の解決にもつながるのです。
【目標12】つくる責任 つかう責任
私たちは、食べ物や道具を「つくる」「つかう」だけでなく、どう処分するかも考える責任があります。
廃食用油をきちんと回収してリサイクルすることは、まさに「最後まで責任を持って使い切る行動」。
ゴミを減らすだけでなく、資源として再利用することで、無駄を減らすことができます。
【目標13】気候変動に具体的な対策を
地球温暖化を止めるためには、二酸化炭素(CO₂)の排出を減らすことが必要です。
バイオ燃料は、植物由来の油を使っているため、燃やしてもCO₂の排出が少ないのが特徴。
石油やガソリンよりも環境への負担が少ないので、気候変動対策としても注目されているんです。
このように、私たちが普段捨てていた「使い終わった油」も、地球と未来を守る力を持っていることがわかりますね。
学校や家庭でもできるSDGsアクション
「SDGsって大事だと思うけど、自分にできることってあるの?」
そんなふうに思っている学生も多いはずです。
実は、廃食用油をリサイクルすることは、家庭や学校でもできる身近なアクションなんです。
ここでは、今すぐに始められる取り組みをいくつかご紹介します。
廃油を集めて回収イベントに出してみよう
最近では、地域のリサイクルセンターやスーパーなどで、家庭の廃油を集める回収イベントが行われています。
こうしたイベントに参加することで、リサイクルの第一歩を体験できます。
たとえば:
- ペットボトルに入れて廃油を保管
- 市役所や学校に回収ボックスがあるか調べる
- 月に1回など、家族で「廃油の日」を決めてみる
小さな行動ですが、ちゃんとリサイクルにつながっていくのです。
地元のリサイクル業者やイベントを調べて自由研究にも!
地域にどんなリサイクル会社があるか調べてみるのもおすすめです。
たとえば「OIL BEES」のように、廃油の回収・再利用をしている会社の仕組みを調べて、
- 廃油がどうやって再利用されるのか
- どんな人たちが働いているのか
- どんなエネルギーに生まれ変わるのか
などをまとめれば、夏休みの自由研究や総合学習にもぴったりです。
SNSやポスターで“知ってもらう”活動も立派なアクション
SDGsは「行動する」だけでなく、「伝える」ことも大事です。
- 学校の掲示板にリサイクルを呼びかけるポスターを貼る
- SNSで、廃油リサイクルのことを発信してみる
- 友達や家族に「これ、知ってる?」と話してみる
こうした行動も、SDGsの実践そのもの。
あなたの声が、誰かの気づきになるかもしれません。
地球のためにできることは、特別なことじゃなくて、日常の中にある小さな一歩なんです。
【まとめ】あなたの行動が、地球と未来の力になる
この記事では、「廃食用油」と「SDGs」のつながりについて学んできました。
一見ただの“使い終わった油”でも、きちんとリサイクルすることで、
- 地球にやさしいエネルギーを生み出し
- ゴミを減らして環境を守り
- 世界が目指すSDGsの目標に貢献できる
そんな大きな可能性を持っていることがわかりましたね。
「でも、私ひとりの行動で何が変わるの?」
そう思うかもしれません。
でも、SDGsの本当の意味は、“誰か”じゃなく、“あなた”が動くことです。
たった1人の行動が、やがて友達や家族、地域を動かし、未来を変える力になります。
✅ 最後にできることリスト
- 廃油を流さず、ペットボトルに入れて保管してみる
- 学校の先生に「リサイクルについて調べたい」と相談してみる
- 今日学んだことを、友達に話してみる
「地球の未来を守る力は、身近な“あたりまえ”の中にある」
それを忘れず、あなたらしいSDGsアクションを始めてみてくださいね。