夏に油が酸化しやすくなる理由
夏は油の酸化が進みやすい季節です。その理由は「高温多湿な環境」にあります。気温が高くなると、油は空気中の酸素と反応しやすくなり、劣化が早まります。これが「酸化」と呼ばれる現象です。
酸化した油は、色が濃くなり、嫌なにおいや苦味が出るだけでなく、揚げ物の仕上がりも悪くなります。さらには、健康に悪影響を与える成分(過酸化物やアルデヒドなど)も発生するため、できるだけ早めに対策することが重要です。
飲食店では、油を繰り返し使用する場面が多いため、酸化リスクは特に高まります。夏場は、厨房の室温も上昇しがちなので、油の劣化が一層加速してしまうのです。
梅雨時期の油管理で気をつけるポイント
梅雨は湿気が多く、油の管理にも注意が必要な時期です。湿度が高いと、空気中の水分が油に混入しやすくなり、これが酸化や劣化の原因になります。特に揚げ物をしている最中に、食材の水分や外気の湿気が油に入ることで、油の品質はどんどん悪くなってしまいます。
また、湿気がこもりやすい厨房では、換気が不十分になりがちです。油のにおいがこもるだけでなく、酸化を早める要因にもなるため、調理中はしっかりと換気をすることが大切です。
さらに、油の保管場所にも注意が必要です。直射日光が当たる場所や、湿気の多いシンクの近くに保管するのは避けましょう。気温や湿度の変化が少ない、風通しの良い場所での保管が理想的です。
梅雨明けから真夏にかけての酸化リスクがさらに高まる理由
梅雨が明けると、気温が一気に上昇します。特に真夏の厨房は、熱がこもりやすく、40℃を超えることも珍しくありません。このような高温環境では、油の酸化スピードがさらに加速します。
酸化は、温度が10℃上がるごとに約2倍速く進むと言われています。つまり、夏の高温下では、通常よりも何倍も早く油が劣化してしまう可能性があるのです。
また、夏は冷たい料理の需要が増える一方で、揚げ物も人気の季節。冷たい飲み物と一緒に提供されるからこそ、揚げ物の品質が重要になります。そのため、油の状態に気を配らずに使い続けると、料理の味やお客様の満足度に大きく影響します。
さらに、食材の鮮度も暑さで落ちやすくなるため、揚げる前の状態が悪いと、より油が劣化しやすくなります。仕入れから保存、調理まで、一つ一つの工程で「油を酸化させない」工夫が求められるのが夏なのです。
飲食店が実践すべき夏の油管理対策
夏の油酸化を防ぐには、日々の小さな対策がとても重要です。以下のポイントを実践することで、揚げ油の品質を保ち、料理の味や安全性を高めることができます。
1. 揚げ油のこまめな濾過・交換
揚げカスは油の酸化を早める大きな原因です。調理後には必ず油を濾して、カスを取り除きましょう。また、油の色・におい・泡立ちの様子を見ながら、定期的な交換も忘れずに。
2. 保管場所の見直し
油は高温や湿気、光に弱いため、保存場所にも気を配る必要があります。直射日光が当たる場所や、コンロ周りなど温度が上がりやすい場所は避けましょう。涼しくて風通しがよく、暗い場所での保管が理想です。
3. 冷却と遮光の工夫
使用後の油を常温で放置しておくと、酸化がどんどん進みます。使用しないときは蓋をして遮光し、できるだけ早く温度を下げるようにしましょう。厨房が暑いときは、保管庫やクーラーボックスなども活用すると効果的です。
これらの対策を徹底することで、夏でも品質の高い油を保つことができ、結果としてお客様の満足度アップやコスト削減にもつながります。
OIL BEESの「おいしい油」認定制度とは
OIL BEESでは、飲食店の油の品質を「見える化」するために、「おいしい油」認定制度を導入しています。これは、当社の専門スタッフが定期的にお店を訪問し、揚げ油の酸化度を測定するサービスです。
酸化度を測定し、油の状態を数値化
揚げ油の酸化度は、見た目やにおいだけでは判断が難しい場合があります。しかし、専用の測定機器を使えば、数値として客観的に把握できます。このデータをもとに、適切な油の交換タイミングや管理方法をアドバイスします。
基準を満たしたお店には認定ステッカーを発行
測定の結果、一定の基準をクリアしたお店には、「おいしい油使用中」の認定ステッカーを発行します。これは、お客様にとっても「この店は油の管理をしっかりしている」という安心感につながります。
お店の信頼向上と差別化に
この制度を活用することで、お店の信頼性を高めるだけでなく、他の飲食店との差別化にもなります。「油の品質にこだわっている」という姿勢は、お客様のリピート率アップにもつながる大きなポイントです。
夏の油管理でコスト削減と品質向上を両立しよう
酸化した油を使い続けると、料理の味や見た目が悪くなるだけでなく、健康への悪影響も懸念されます。さらに、品質の悪い油で揚げた料理は、お客様からの評価も下がり、リピート率の低下につながります。
一方で、頻繁に油を全交換することは、コスト面でも大きな負担です。そこで重要なのが、「適切なタイミングでの管理と回収」です。
OIL BEESでは、使用済み油の無料回収サービスを提供しており、店舗の負担を軽減しながら、廃油を無駄なくリサイクルしています。さらに、回収量や買い取り金額がすぐに確認できる「廃食用油回収ポータルサイト」も無料でご利用いただけます。
このような仕組みを活用することで、油の使用効率を高めつつ、環境にも優しい店舗運営が可能になります。夏こそ、油管理を見直す絶好のチャンスです。