廃食用油、どこに置いてる?飲食店のよくある悩み
廃食用油は調理後に必ず出るもの。でも、「とりあえずバケツに入れて厨房のすみへ…」という処理になっていませんか?
飲食店では、廃油の保管場所や方法があいまいなままになりがちです。
スペースが足りない、においが気になる…
特に狭い厨房では、「油を置く場所がない」「他のものとぶつかってこぼれる」といった声をよく聞きます。また、油は時間が経つと独特のにおいを発しやすく、厨房の空気を悪くしてしまう原因にもなります。
こぼれ・汚れの原因になるケースも
蓋のない容器に入れたままだと、移動のたびにこぼれてしまったり、床に油がついて滑りやすくなったりと、事故や衛生問題のリスクも高まります。
つまり、保管のしかた次第で厨房全体の安全性や作業効率が左右されるのです。
安心・安全な油の保管ポイント【3つの基本】
廃食用油を安全かつ衛生的に保管するためには、「とりあえず置く」ではなく、基本ルールを押さえた保管方法が大切です。今日から実践できる3つのポイントをご紹介します。
1.ふた付き・密閉容器を使う
油は空気に触れると酸化が進み、においや衛生面に悪影響が出ます。そこで必須なのがしっかり閉まるふた付き容器。
プラスチック製のポリタンクや金属製の専用缶など、倒れても漏れにくい構造の容器を選ぶと安心です。
業者によっては専用容器を貸し出してくれるところもあります。
2.高温多湿・直射日光を避ける
油は熱や光に弱く、酸化しやすい性質を持っています。
保管場所はコンロのそばや日が当たる窓辺は避けて、できるだけ涼しく、風通しのいい場所に置きましょう。
もし冷房が効かない厨房でも、日陰になる場所や足元の低い位置などを選ぶことで劣化を防げます。
3.他の調味料・水と離して置く
油に水が混ざると腐敗やカビの原因になります。また、酢や醤油などの強いにおいの調味料と一緒に置くと、においが移ってしまうことも。
油は油だけでまとめて保管し、他の液体とは分けるのが基本です。
厨房が狭いお店でもできる置き場の工夫
「うちは厨房が狭いから、油の保管場所なんて作れないよ…」
そんなお悩みを抱える飲食店でも、ちょっとした工夫で油置き場を確保することは可能です。実際に現場で使われているアイデアを紹介します。
可動式キャビネットやワゴンを活用
調味料や道具と同じように、廃油専用のワゴンやキャビネットを設置する方法があります。キャスター付きであれば、必要なときにだけ引き出せるため、普段の作業を邪魔しません。
「収納と保管を兼ねた移動式スペース」として活用するのがおすすめです。
階段下・カウンター裏など「デッドスペース」を有効活用
普段は見落としがちな階段の下やカウンターの裏側なども、実は油の保管に使えるスペースです。
高さのあるポリタンクが置けなくても、コンパクトな容器を複数並べることで対応できます。
使わない棚の下段や厨房の隅なども、“固定の保管場所”として決めておくことが油の管理を楽にするコツです。
業者と連携した「専用保管容器」も選択肢に
信頼できる廃油回収業者の中には、倒れにくく、におい漏れもしにくい専用容器を無料で提供してくれるところもあります。
保管場所に合わせてサイズ調整ができるケースもあるので、まずは相談してみると良いでしょう。「保管しにくいから…」と悩む前に、プロに頼るのも立派な選択肢です。