地震や台風、大雨など、いつ起こるか分からない自然災害。
停電やガス・水道の停止が発生した際、私たちは「限られた資源」で生き抜く必要があります。
そんな非常時に、「廃食用油」が思いがけず役立つことをご存じでしょうか?
今回は、災害時のサバイバル術としての「廃油リサイクル」の活用法をご紹介します。
廃食用油が災害時に役立つ理由
通常、廃食用油は処分に困る“ごみ”と考えられがちですが、実は「燃料」としての性質を持っています。
食用油は可燃性があり、熱や光を発生させるエネルギー源として使えるのです。
特に以下のような非常時には、大きな力を発揮します。
- 停電で明かりがない
- ガスが止まり調理ができない
- スマホやラジオの充電ができない
これらの場面で、家庭に残っている「使い古しの油」が役立ちます。
活用法①:油ランプで“明かり”を確保
最も簡単な活用法は、油ランプの自作です。
用意するのは、以下のものだけ。
- 廃食用油(ろ過したもの)
- ガラス瓶(ジャム瓶や小さな空き瓶でOK)
- 綿の紐(毛糸やティッシュで代用も可能)
- アルミホイルやクリップ(芯を固定する用)
作り方:
- ガラス瓶に油を7~8割注ぐ
- 紐を油にひたし、1~2cmを瓶の上に出して固定
- 火をつければ、30分~数時間の明かりが確保できます
市販のキャンドルよりも長時間持つことが多く、環境にもやさしい照明手段です。
※換気をしっかり行い、安全な場所で使用してください。
活用法②:簡易ストーブで“暖”や“調理”を
油を使った「簡易ストーブ」や「油缶コンロ」も作れます。
特に冬場の災害では、暖を取る手段として重宝します。
必要なもの:
- 空き缶(大きめの缶詰缶やスチール缶など)
- 廃油
- ティッシュや段ボール片(燃えやすい素材)
- 耐熱皿や金網(調理用として使用する場合)
簡易手順:
- 缶にティッシュを折りたたんで入れる
- 廃油をひたひたになるまで注ぐ
- 火をつけて、上に鍋ややかんを置けば、湯沸かしや簡単な調理が可能です
ただし、火を扱うので屋外または通気のよい場所で使用しましょう。
活用法③:手回し発電との組み合わせで“電力”に変換
最近では、小型のバイオディーゼル発電機も一部で市販されています。
これは、廃食用油を燃料として電力を発生させる装置です。
家庭での導入はまだハードルが高いものの、
地域単位で災害対策を考える場合、給食センターや飲食店が集めた廃油を活用した“地域電源”としての活用も期待されています。
OIL BEESでも、将来的にはこうした「災害時の再エネ活用」についても視野に入れています。
注意点:廃油活用には「ろ過」と「管理」が必要
災害時に安全に廃油を使うためには、日頃から以下の管理をしておくことが大切です。
- 固形物(かす)を取り除いてろ過する
- 冷暗所で密閉保管する(腐敗・悪臭防止)
- 使用期限の目安は約1ヶ月以内(揚げ油の使用頻度によって異なる)
また、天ぷら油などに水分が混ざっていると火災の原因になるため、使用時には十分注意してください。

非常時にこそ、“もったいない”を力に変える
災害時の備えは「水・食料・防災グッズ」だけではありません。
身近にある資源をどう使うか――そこに“生きる力”が問われます。
廃食用油は、本来捨てられるはずだった「資源」です。
明かりを灯し、体を温め、調理を助ける――。
そんなサバイバルの知恵として、ぜひ日頃から廃油を意識してみてください。
私たちOIL BEESは、日常も、非常時も、“持続可能”を支える存在であり続けます。