飲食店で日々出る廃食用油。多くの経営者にとっては「無料で回収してもらえれば十分」と考えるかもしれません。
しかし近年、この廃油を狙った“盗難事件”が全国的に報告されているのをご存じでしょうか?
廃油泥棒――一見冗談のような話ですが、現実に発生しており、被害に遭った店舗では思わぬトラブルや損失が発生しています。この記事では、なぜ廃油が狙われるのか、飲食店が抱えるリスクとその対策についてわかりやすく解説します。
廃油が“盗まれる”時代に?
かつては産業廃棄物として「お金を払って処分するもの」だった廃食用油ですが、近年はその価値が大きく見直されています。
理由は、廃油がバイオディーゼル燃料や化学原料の貴重な資源として売買されるようになったからです。業者によっては1リットルあたり数十円で取引されることもあり、まとまった量があれば“お金になる資源”として魅力的です。
そのため、深夜や休日に店舗裏の回収ドラム缶から勝手に廃油を持ち去る泥棒が実際に現れているのです。防犯カメラに映った不審な車両が廃油だけを狙って何度も現れる…そんな報告も少なくありません。
廃油泥棒が店舗にもたらすリスク
廃油が盗まれることで、飲食店が受ける被害は想像以上に多岐にわたります。
まず、契約している回収業者との信頼関係に影響が出る可能性があります。「回収量が合わない」といった不審なズレが発生すれば、店舗側に疑念が向けられることも。
また、廃油が不正業者に渡ることで、適切に処理されずに環境に悪影響を与える恐れもあります。社会的に見ても「知らずに違法処理に加担してしまった」という状況になりかねません。
さらに、店の裏口や倉庫への無断侵入=防犯上のリスクが高まるという点も深刻です。廃油目的とはいえ、一度侵入が成功すれば、金品や設備が狙われるリスクも否定できません。
廃油盗難を防ぐためにできる5つの対策
このような被害を防ぐためには、飲食店側でできる対策を講じることが重要です。
- 回収ドラム缶の保管場所を見直す
なるべく店の裏手や人目につかない場所ではなく、見通しの良い場所に設置しましょう。 - 施錠できる保管容器を使用する
ドラム缶に鍵を取り付ける、もしくは屋内保管型の容器を導入するのも有効です。 - 回収業者との回収記録をこまめに確認
いつ、どれくらいの油が回収されたのかを定期的に把握する習慣を持ちましょう。 - 防犯カメラの設置
廃油に限らず、犯罪抑止の効果があります。設置ステッカーも併用するとより効果的です。 - 信頼できる業者と契約し、管理を任せる
たとえばOIL BEESのように、回収日時・回収量・買取金額までポータルで見える化されている業者なら、盗難の早期発見や回避につながります。
廃油管理=店舗経営のリスク管理
廃食用油の価値が高まっている今、飲食店にとって“廃油管理”は資源管理であると同時に、“店舗のリスク管理”でもあります。
「どうせ捨てるもの」と思って放置していれば、それがきっかけで犯罪や信頼低下につながる可能性もあるのです。
逆に言えば、しっかりと管理・対策を行えば、廃油は「安全にお金に変えられる資源」にもなります。
信頼できる回収業者との連携や、日頃の見直しを通じて、大切な店舗を“見えないリスク”から守っていきましょう。